半年間お疲れ様でした。


2014年10月から半年間、毎週楽しみに見続けてきた作品が終わってしまうというのはやはり寂しさを感じるものです。
もちろん1クールものでも最終話は作品が面白いほど感慨深く感じるのでしょうが、その点で「SHIROBAKO」という作品は自分の中で群を抜いていました。


なんとなく友人の勧めで見始めた作品でしたが、毎週ハラハラさせられるトラブル、登場人物それぞれの物語、挙げきれませんがそれらに段々と惹かれていき、気づけば毎週この時間が楽しみで仕方なくなっていたような気がします。 
最終話を見終わってまだあまり時間が経っていないので興奮さめやらぬ状態ですが、この作品について感じたことなどを書いていきたいです。

 

まず、記事タイトルからしてSHIROBAKOを見ている方しか見に来ないでしょうが、もしかしたら知らない方もいらっしゃるかもしれないので作品についての簡単な説明から。

TVアニメ「SHIROBAKO」公式サイト
公式サイトはこちら
用語解説もありわかりやすいです。


高校時代、部活でアニメを作っていた5人が社会人になってそれぞれ分野は違えどアニメ関連の道へ進んでいきそれぞれの物語が展開されます。

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彼女が主人公、宮森あおい
制作進行として武蔵野アニメーション(通称ムサニ)に就職。 
明るい性格で周りのキャラクターを引っ張るまさに作品の顔。
周囲からの呼び名は「みゃーもり」や「おいちゃん」。

このみゃーもりを中心に、ムサニが制作するアニメがどのように完成していくのかや、他のキャラクターもそれぞれの夢に向かって壁に当たりながらも前に進んでいく物語です。


さてこの作品、単純に今までアニメの制作現場というものを知らなかっただけあってそれをアニメという形で見られるのがもう面白いわけですが、結構裏話的なストーリーもありアニメ業界の問題点とかが見えてきてそれも興味深かったり。

例えばこの子。
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ムサニでアニメーターとして働く安原絵麻ちゃん。
絵を描くことが好きでアニメ製作会社に就職したはいいものの、それが仕事になることで自分の絵が思うように描けないことに悩んだり、提出したカットが全部リテイクで戻ってきて落ち込んだりと苦労が多いです。
アニメーターの収入もかなり低いのでいわゆるワーキングプア状態、六畳一間のアパートでカレーを作り置きしながら生活しています。 



他にも色んなキャラクターがいて、それぞれにそれぞれの夢や働く理由があって、みゃーもりがそれらに触れることで「自分はどうなんだろう…?」と自分のやりたいことを探すこともテーマの一つになってたりします。


「アニメを作るアニメ」ってだけなら へーなるほどね ってなっておしまいなわけですが、この作品が面白かったのはそこではなく、先ほどから何度か書いているそれぞれの夢についての話が魅力的なんです。
人が働く理由とか、将来どうなりたいのかとか、逆にもう何十年も同じ業界で働いてる人はなぜ今ここにいるのか、みたいな話はアニメに限られる話でもないですよね。


この作品のキーのひとつが、
登場するキャラクターのほとんどが自分の夢や、働く理由を持っているのにみゃーもりにはそれがない
というところ。
アニメが好きで就職したけど、自分が働く理由は何なのか?何がしたいのか?その問いがこの作品の根っこにあります。
夢に向かっていくことの楽しさと大変さ、そして夢に一歩近づいたときの高揚感と達成感。それらが画面を通じてビリビリと伝わってきました。



もちろん夢に向かってどうのこうの、みたいな作品はアニメでもドラマでも小説でも漫画でもよくあるテーマなんですが、この作品が特に面白かったのはそれぞれのキャラクターの夢に「理由」がついていることで見る人も自分の人生に当てはめて考えやすかったところだと思っています。

しかしそれだけでなく、物語としても起伏があって見ていて飽きない。納品が間に合わなくて放送できない!!とか、スケジュールがカツカツで作画が崩れる!!みたいなトラブルが次々と発生してそれを解決しながら進むんですがその中にさっきの夢の話とかも絡んできたりするんですよね。
構成もとても綺麗で、例えば最初ムスッとしていたキャラが終盤にかけて少しづつ心を開いてきたり。その過程で序盤はウザくて仕方なかった奴も最終話終わってみれば大好きになっていたり、言葉の端々や行動でわずかにキャラの変化を読み取れるような描写が沢山あったりして、よく練られているなあと満足できる内容でした。



登場したキャラクターはみんな個性が立っていて、どの人の話も見ていて面白いものばかり。
あれだけウザかった平岡さんもあれだけ無能だったタローも今ではムサニを背負って立つバディですからね。

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この表情、スカしてたけどついポロッとこぼれた感じでほんと一瞬だったのが逆に良かった。


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最終話のこのシーン、今までの高校の仲間たちの言っていたことが次々とフラッシュバックしながらテレビ局に完成したアニメの最終話をダッシュで持ち込みます。
半年間(作中では1年半くらい?)積み上げてきたものの大きさがこのシーンで見えたような気がして震えました。

細かいところに序盤との対比があったのも良かったです。
えくそだすっ!の時はみゃーもりが完パケの電話を受け取ってたけど、三女ではかける側。
久乃木さんも初めての作打ちではしゃべることすらできなかったのに最後は自分で最後まで話していました。

物語で魅せる回にもギャグを忘れない点も自分はかなり好きです。
シリアスも大事ですが30分全部がシリアスだとその話だけ重くなっちゃいますよね。
興津さんのカーチェイスだったり、あと最終話以外なら木下監督の腹バトルだったり、「見やすさ」にもかなり気が配られていたと思います。


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みゃーもりの「理由」もどうやら見つかったみたいで、この演説も今までのみゃーもりの見てきたものがすべて詰まっているような感じがします。
短大卒・社会人2年目って僕と年齢は変わらないんだけど、僕はこんなこと言えません  
 
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映像作品を見てここまで感動したのはいつ以来かと思うほどに心を打たれました。
5人それぞれの成長が物語全体を通して見えていただけに最後の会話は来るものがありますね。
続編が欲しいという気持ちもあれば、ここで綺麗に完結してほしいという気持ちもあり、とても複雑です。


ブルーレイ、本当に購入したいのですが全巻買うと約7万。。。
おとなしくボックス待ちです…
今までの他作品のリリース具合から2016年8~10月というのが順当な線でしょうか。



エロなし、恋愛なしでストーリーの完成度も非常に高い。アニメに今まで興味が無かったりそういうオタクに媚びるような描写が嫌いな人にも自信をもっておすすめできる作品でした。
 
この作品が来週からなくなるということで僕は何を希望にして生きていけばいいのかわからなくなりそうです。 
それでは。